別名「ビック・アイランド」と呼ばれているように、この島の面積はほかの7つの島の合計面積よりも大きい。今もなお活動を続ける活火山と、大自然を肌で感じるには短い滞在期間だからこそ、レンタカーがおすすめである。車で島を一周すると、丸一日はかかるが、不思議なことにその景色に全く飽きることがない。今回は大自然の島、ハワイ島コナ・コーストを中心にドライブをしながら、ご紹介したい。

コナから山の中腹に車を走らせると、コナ・コーヒー・ベルトと呼ばれるコーヒーの農園地帯がある。約100年前には収穫したコーヒー豆をロバの背に乗せ、コーヒー農家の人々がのんびりと歩いた道である。その道沿いでケアラケクア湾を見晴らす高台に建つロイヤル・コナ・コーヒー・ミル&ミュージアムには、眺めのいいテラスで無料コーヒーを堪能する事ができる試飲コーナーもある。チョコレート、シナモン、バニラ味などの珍しいコーヒーが並んでおり、中でもバニラコーヒーはおすすめだ。コーヒーの苦みとバニラの甘味が絶妙なハーモニーを奏で、ドライブの休憩に最適ではないだろうか?
そこから少し車を走らせると、セント・ベネディクト・ペインテッド・チャーチという名の中世ヨーロッパとハワイの様式を取り入れた白亜の教会にたどり着く。周囲の緑とのコントラストがなんとも美しい教会である。名前の由来となっているのは、内部の壁や天井にベルギー人の祭司によって約100年前に施された見事な絵画で、落ち着いた空間に足を踏み入れただけでなんとも神聖な気持ちなり、ハワイ島の隠れた魅力を垣間見たような気がする。

さらに少しいくと、プウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園にたどり着く。プウホヌア とはハワイ語で「逃れの場」、「聖域」という意味。かつてのハワイには、カプ制度(掟のようなもの)が存在し、ここはカプを破ってしまった人や、敗残兵たちにとって「駆け込み寺」的存在であった。いかめしいティキ(神像)や神殿などが厳粛な空気を漂わせている一方で、公園内はとても綺麗に整備されており、何気にハワイ島の穴場ではないだろうか。澄んだ海と真っ白な砂浜が一面に広がり、ヤシの木は太陽の光で白浜に影を映し出す・・・このなんともいえない美しい光景は、訪れた人たちの無形の財産として心に刻まれていることであろう。

さらに山道を進んでいくと、何やら果物をいっぱい並べてバラ売りしているお店が一軒ある。並んだ果物の美しさと、おばあさんが一人で切り盛りしているためか、おもわず次々とドライバーたちは車を停め、買った果物をその場で渡されるナイフで豪快に切り、腹ごしらえをしている。地図に載っていないスポットをふと訪ねてみる・・・これが旅の面白さかもしれない。
ハワイ島でのドライブの魅力はなんといっても、大自然の様々な顔を実感できるところである。コーヒーの農園地帯があったと思えば、海岸線通りのヤシの木の道、また両サイドにエンドレスで続く草原に囲まれた道、そして火山地帯では無数の黒い岩が舗装された道路わきに広がり、リゾート地ではきれいに整えられた並木道が・・・様々な島の表情が、訪れた観光客たちを楽しませている。また、サンセットの瞬間は格別で、一日の終わりをゆっくりと五感で感じる事ができる。「非日常的な空間で時間の流れを大自然とともにゆっくり観察してみる」は、まさにハワイ島のドライブの醍醐味であるといえよう。

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